診療内容うさぎ

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うさぎさんは本能的に体調不良を隠してしまうため、症状が明らかになってきた際には病状がかなり進行している場合もあります。
特に食欲の低下や糞便量の低下は、摂食を継続しなければいけないうさぎさんにとっては致命的です。
些細なことでも構いませんので、普段の生活と少しでも違う行動がみられましたらすぐに病院にお越しください。

うさぎさんの食事

草食動物であるうさぎさんは、基本的には高線維質の乾草とペレットが食事の主なメニューとなります。

乾草
イネ科のもの。マメ科の乾草は健康なうさぎさんにはすすめられません。常に切らさないように給餌してください
ペレット
粗線維18%以上、粗タンパク14%以下のもので体重の1.5~2%を給餌してください。なお肥満の場合は体重の1%程度に減らしてください。
生野菜、果物
栄養バランス上必要ありませんが、うさぎさんにとって嗜好性の高い食べ物です。コミュニケーションの手段として、おやつ程度に与えてください。
また、成長期の段階で食べなれたもの以外はそれ以降口にしない傾向があるうさぎさんにとって、食欲低下の際にこれらの食材は、食欲を取り戻すために有用な場合もありますので、多種の食事を与えることも必要です。

うさぎさんの飼育環境

室温
16~21℃が適温です。特に暑さには気を付けましょう。
ケージの大きさ
うさぎさんの体を伸ばしても余裕があり、トイレも設置できる。
床材
硬い床面は、足底潰瘍をおこします。乾草を敷いてください。
トイレ
体が収まる程度の大きさ。

診察上の注意

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人に十分慣れていないうさぎさんは、診察の際にパニックになってしまうことがあります。
(キャリーケースからの取り出し、診察台に上がった時)
パニック後に骨折などの外傷を起こさないよう、十分に注意し診察を行ってまいりますが、極端に臆病な子、人に慣れていない子は事前にスタッフにお伝えください。
また、13:00~16:00は予約診療も承りますので、そちらもご利用ください。

うさぎさんの疾患

切歯、臼歯過長症

生まれつきの不正咬合、不適切な給餌(乾草をあまり食べない)などが原因です。
うさぎさんの歯は生涯伸び続けます。
歯の摩耗が少なくなるような、ペレットのみの食事やおやつの多給により咀嚼の回数が減少すると過度に伸びすぎた歯が、口腔内を傷つけます。
これにより、よだれが増える、歯ぎしり、食欲の低下がみられます。

また歯は口腔側だけでなく、歯根側に伸びる場合もあります。
歯根側が伸びる場合、涙の排出口である鼻涙管を圧迫し、涙が流出することで皮膚炎や脱毛を引き起こします。

検査
  • 口腔内の検査
  • レントゲン検査(歯根部のチェック)
治療
  • 口腔側に伸びた歯をカットする。切歯の場合は無麻酔で、臼歯の場合は性格によって無麻酔もしくは軽度の鎮静化にて処置します。
  • 歯根側に伸びている場合、詰まってしまった鼻涙管を洗浄する、点眼により閉塞部分の感染・炎症を軽減する。

子宮疾患

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子宮の疾患は未避妊の場合に非常に多く、症状としては血尿、陰部からの出血で来院される患者さんが大半です。
子宮疾患は主に子宮内膜炎、子宮蓄膿症、子宮腫瘍などがありますが、各疾患によって治療経過は異なります。
また乳腺の異常を併発している場合も多くあり、同時にチェックがひつようになります。

検査
  • メインの検査は超音波検査です
  • 加えて子宮腫瘍の疑いがある場合レントゲン検査
  • 血液検査
治療

腫瘍で転移がある場合を除き、外科手術が基本の治療になります。
子宮疾患は避妊手術で予防できる病気です。
疾患を起こす前のほうが、麻酔のリスクも低いので早期に避妊手術を行いましょう。

斜頸

斜頸の原因としては細菌感染による内耳炎、脳腫瘍、最も多いものが
エンセファリトゾーンという寄生虫による肉芽腫性脳脊髄炎によるものです。

検査
  • 血液検査にてエンセファリトゾーンの抗体を調べる。また、エンセファリトゾーンは腎臓における感染がメインになるため、腎臓の数値をチェックします。
  • 眼科検査。エンセファリトゾーンの場合、眼内異常を起こすこともあります。
  • CT、MRI
    ただし生前の確定診断は困難。
治療
  • 抗生剤、ステロイド、駆虫薬の投与
  • 斜頸の他に、眼振、ローリングなどを伴い摂食、摂水が困難になるため、飼い主様の給餌、給水が必要です。在宅での看護が困難な場合は入院治療が必要です。

膀胱結石

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うさぎさんは生理的に尿中のカルシウム濃度が高く、通常の状態でも尿中に結晶が確認できる場合があります。
他の動物を比較しても結石ができやすい体質といえます。
症状は血尿、尿回数の増加、尿量の低下、尿がでない。

検査
  • 尿検査にて出血、感染、結石をチェックします
  • レントゲン、超音波
治療

わんちゃん、ねこちゃんでは結石の種類によっては、内科治療を行いますが、うさぎさんの場合内科治療に有効な食事や薬剤がないため、結石を取り除く外科治療になります。

治療後はカルシウムを抑えた食事、肥満の場合減量、十分な摂水を行い、再発を予防します。

乳腺腫瘍

女の子のうさぎさんに発生する腫瘍です。
悪性の比率が高く、転移や再発も多い腫瘍です。
早期の避妊手術により、発生のリスクを下げることができます。

検査
  • 針吸引による細胞診。乳腺嚢胞、乳腺炎との鑑別診断を行います。
  • レントゲンで肺、骨転移を検査します。
治療

腫瘍の大きさ、数や転移状況にもよりますが、外科手術が第一選択となります。
乳腺の切除と合わせて、再発、転移のリスクを軽減するため避妊手術も行います。

パスツレラ

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パスツレラ菌は正常なうさぎさんの体内にも存在しますが、
免疫の未熟な子ウサギ、季節の急激な変化、環境の急変、免疫を低下させ基礎疾患などが引き金となり発症します。
発症すると鼻汁、くしゃみがみられ、重症化すると肺炎に至ります。

検査
  • レントゲンにて肺の異常、歯の異常がないか確認します。
  • 鼻汁の細菌、炎症細胞を顕微鏡で検査
治療
  • 抗生剤の投与、点眼薬、基礎疾患がある場合そちらの治療も。
  • 同居しているうさぎさんに感染が起こらないよう隔離し、食器などの消毒を行う

消化器疾患

消化管うっ滞はうさぎさんで最も多い消化管疾患です。
いわゆる毛球症ですが、実際は毛の塊のみがうっ滞を引き起こすことは稀です。
ストレスや、肥満、不適切な食事、他の疾患による食欲の低下、異物の蓄積などの複合的な要因が、消化管の運動性を低下もしくは停止させ糞便量の減少、糞便の大きさが縮小します。

検査
  • レントゲン検査、造影検査
  • 超音波検査
  • 血液検査
治療
  • 消化管運動機能改善薬の投与、注射
  • 強制給餌
  • 腹部のマッサージ
  • 基礎疾患の治療
  • 内科的に改善がない場合は手術

膿瘍

うさぎさんの膿瘍は歯根部の感染から下顎、眼の下が腫脹します。
過度に硬いものをかじって歯が破折したり、歯根部側に歯が伸びたり、口腔内の裂傷などから発生します。
うさぎさんの膿は、他の動物と異なり非常に粘度が高く、排膿が困難です。
そのため太い針での吸引もできず、切開が必要になります。また、排膿処置をしても、膿が繰り返したまることも多く、治療は長期化します。

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検査
  • 歯のレントゲン
  • 膿の細菌検査
治療
  • 抗生剤の投与
  • 洗浄、消毒

根本的な治療は抜歯になりますが、抜歯は歯列の異常、感染をおこした部分の骨折などを引き起こすリスクが高く、当院では抜歯は積極的に行っておりません。